【きもつき情報局】絆つないで1周年 いったんもめんと結いの会

肝付町の波野地区にある民家の前に「いったんもめんと結いの会」ののぼりが毎週立つようになって、2018年3月で1年が過ぎた。
 

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民家を利用した、いったんもめんと結の家と案内板
 
いったんもめんと結いの会は、波野・有明地区の地域住民によるボランティアグループで、主に2つの活動を行っている(詳しくはこちら)。
 
ひとつは「おかずおすそわけ」。毎週水曜日に、昼食用のおかずをつくって高齢者宅へ届けるものだ。準備するのは毎回90~100食前後。
 
「みんなで試行錯誤しながら、はじめのうちは時間に追われて、回を重ねるごとに感覚をつかんで調整できるようになりました」とメンバーは話す。
 
もうひとつは、「子ども地域クラブ」。地域に学童保育がないことから、その代わりとして月2~3回の土曜日、子どもたちに昼食とともに、宿題をしたり遊んだり自由に過ごす場を提供するものだ。このときは男性メンバーも加わり、庭や小さな畑の手入れなどをしながら子どもたちと過ごす。
 
現在は、第2土曜日を「みんなの食堂」として、子どもたちに無料で、大人には200円で昼食を提供する日とした。平均して20~30名の利用があるが、70名を超えた日もあったという。
 
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草むしりをするメンバーと、近くで遊ぶ子どもたち
 
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お昼ご飯を楽しむ子どもたち
 
3月24日(土)は、1周年記念イベントとして「味噌玉作り」に取り組んだ。
 
味噌玉は、味噌に鰹節などの粉末だしを合わせて混ぜ、1食分ずつ、麩や乾燥野菜などの具材を入れて丸めたもの。ラップに包んで冷凍保存し、好きな時にお湯で溶かして味噌汁として食べられる。
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味噌玉づくりの準備と並行して昼食用の五目おこわの準備も進む
 
この日は、いつも利用している子どもたちや地域住民が集まり、10時30分頃から1回目の味噌玉作りが始まった。
 
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味噌の量を調整中
 
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味噌玉づくりを楽しむ
それぞれ自分好みの味噌玉をつくった参加者は、出来上がると早速、昼ごはんとして、結の会によって準備された五目おこわや紅白いこもち、魚の磯辺揚げなどと一緒に味わった。
 

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差し入れの魚で磯辺揚げをつくるメンバー

 

臨機応変にメニューを決めるのも腕の見せ所
 
早めに到着して、おしゃべりを楽しんでいたのは、まりさん(90歳)と、ちえこさん(91歳)。
 
まりさんは一人暮らしで、毎週おかずを注文しているという。「野菜が豊富で、味が良くておいしい。一人暮らしではなかなかつくらないから、毎週楽しみに待っているんですよ」と教えてくれた。一番印象に残っているおかずは「茶巾絞り」。手のこんだ一品だ。
まりさんに誘われて、ちえこさんは、今回、この会が立ち上がってから初めて結いの家を訪れた。かつて、ちえこさんは、毎日のようにこの家を訪ね、家主の女性と一緒にご飯をつくって食べたり、おしゃべりをしたりして過ごしていたという。
 
「本当にいい人で、まるで姉妹のように仲良くしていたんですよ」と部屋の中を見回して、変わらぬ雰囲気に「来てよかった」と涙ぐんでいた。
 
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会話を楽しむまりさん(左)とちえこさん
 
この2人のほかにも次々と入れ替わりで周辺の住民が集まり、少し離れた有明地区の住民たちは地域包括支援センター職員の手を借りて車を乗り合わせて訪れ、味噌玉づくりをしては昼食とおしゃべりを楽しんでいた。
 
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到着するとまずは味噌玉づくり
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味噌玉作りの間に、メンバーが家の周辺でとってきたというツワの皮むき
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植え込みの向こうにしゃがみこんでいると思えばよもぎ摘み
「年末につくるよもぎ餅に使う」とのこと
12時前になって、ようやくお茶を飲んで一息いれるメンバーたちにこの一年間について話を聞いてみた。
 
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調理場の横で一休み
 
「あっという間の1年」
「みんなで料理して笑うのがなにより楽しみ」
「楽しいから苦にならない。高齢の方たちも、私たちも、みんなで笑える」
「笑いながらいいことをするので、健康にもいい」
「ざっくばらんで、いい仲間に恵まれた」
「料理の勉強にもなる」
「大変だけど楽しい。疲れるより楽しみのほうが多い。次は行かないと思っていてもまた行ってしまう」
 
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子どもたちを対象としたプログラミング講座にメンバーも一緒に参加してみたことも
 
次々と出てくる言葉から、必要以上に気負うことなく、楽しみながらボランティア活動に取り組んでいることが伝わってくる。「毎日してほしい」という利用者の声もあるが、週に1度だからこそ、楽しみにできると割り切って考えてもいる。
 
そうした無理のない活動のため、転勤などによる入れ替わりがあるものの、メンバーは12~13名で、減ることがない。
 
この活動をする上で唯一の問題は「太ること」と笑う。味見をする上に、みんなでまかないを食べると食が進む。「この一年でやせた人はだれもいない」という。
 
またすぐにメンバーたちが動き始めた。近くにある高山漁協からサバやイカなどの差し入れがあったからだ。
 
このように地域の人々の協力により持ち込まれる食材が多いおかげで材料費も浮き、活動を滞りなく続けてこられた。
 
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来週のメニューを考えつつ、下ごしらえ
 
今後の課題は、「潜在的に利用を必要としている人をどのように取り込んでいくか。利用の呼びかけをどう行っていくか」。
 
民生委員や肝付町包括支援センター、社会福祉協議会などとも連携しながら、広めていく予定だ。
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