【きもつき情報局】地元好きな人が多い町

ANA総合研究所の地域活性化支援事業の一環として、2018年度に肝付町地域おこし協力隊に着任した、客室乗務員の近藤千恵子さん。
 
肝付町で2人目の客室乗務員の地域おこし協力隊として、2年間は協力隊を続けるつもりでいたが、社内の制度の変更により残念ながら一年で活動を終えることになった。
 
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(インタビューを受ける近藤さん。すっかり焼酎好きになり、黒麹、白麹、黄麹の違いも
なんとなくわかるようになったので、広めていきたいとのこと)
 
近藤さんは長野県飯田市出身。都会へのあこがれから、進学で上京し、短大卒業後にANAに入社。地上勤務や育児休業などをはさみながら客室乗務員として25年以上の経験を積み、客室乗務員をまとめるチーフパーサーとして後輩や新人の指導にあたっていた。
 
故郷に帰って地域活性化のために活躍する友人の姿に刺激を受け、自身も地域の力になれるよう学びたいと思っていたところに、社内で地域おこし協力隊を募集していることを知り、応募した。
 
「娘が社会人になるのを区切りに、家庭より自分の生き方を優先しようと思っていたので、ちょうどタイミングもよかったんです」
 
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(岸良地区で、種子島からのロケット打ち上げを見学。情報発信用に写真もばっちり撮影?!)
 
初めて訪れた肝付町の第一印象は「予想していた以上にのどかで田舎」だった。
 
「山のなかの田舎育ちですので、ある程度の車社会だろうとはわかっていたのですが、電車がないのは衝撃でしたね」
 
肝付町は歩いていける距離でもつい車を使ってしまう人が多い、まさに「車社会」。当初は「この距離なのに車を使うの?」と思っていたが、すっかりなじんだ今は「すぐそこでも車に乗るようになってしまいました。復帰に向けて体力つけないといけませんね」と笑う。
 
地域おこし協力隊として近藤さんに任されたのは、肝付町の観光誘致につながる活動や地域の情報発信、学校などでのマナー講座、地域の活性化につながる活動など。
 
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(波野中学校でのマナー講話。同校はキャリア教育に関する文部科学大臣表彰を受けた)
 
県内外で行った肝付町のPR活動のなかで、最後の大仕事となったのが、肝付町のシティプロモーション事業のひとつであり、ANA総合研究所とDNP(大日本印刷)の協力によって進められた、肝付町を中心とした大隅半島の観光マップ並びアプリコンテンツの作成だ。
 
「町内外の協力隊仲間にも声をかけて情報提供してもらい、地元のことをよく知る人達にも参加してもらってワークショップを開き、載せる情報やスポットを選定していきました。町に来てもらえるよう、ひとの目にとまるようなマップづくりを目指しました」
 
近藤さんお気に入りの肝付町内のスポットは塚崎の大楠。そして、山に囲まれた故郷にはなかった海岸線の風景。特に内之浦側から岸良に向かう、岸良の浜を見渡す景色が好きで、この場所は他の協力隊メンバーが推してマップにも掲載された。
 
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(近藤さんお気に入りのスポット[※画像はドローンによる空撮。動画はこちらでご覧になれます])
 
3月4日に制作発表が行われ、11日から「よりみち情報アプリ『YORIP』」でコンテンツは公開された。観光マップは東京、福岡などの書店や観光スポット等で配布される。
 
「形になって残るものができたのがうれしいです。もう一年あれば、『YORIP』の活用法を考えて、PRしていきたかったです。でも、きっと、制作に携わった人たちが活用していってくれると思います」
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(制作発表での記念撮影。観光マップ「あなたとわたしと…宇宙人も!? 五感で旅する大隅半島よりみちMAP」は
「宇宙人がつくった」がコンセプトで、この中に近藤さんも含まれる)
 
多岐にわたる活動において、一番楽しかったのは地域行事への参加だった。
 
「素朴なお祭りが多いのですが、古い歴史があって、地域によっても違いがある。そういうものが伝承されていることがすごい。また、ロケット打ち上げでは、打ち上げ自体にも感激しましたが、打ち上げまでの町の人たちの取り組みやその歴史にふれることができ、地元の方のロケットに対する愛情と誇りを感じられました。文化的な古い伝統とロケット、肝付町独自のものを見させてもらいました」
 
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(イプシロンロケット4号機打ち上げでは、カウントダウンプロジェクトやロケット交流会、
当日の見学場でのアナウンスとさまざまな形でかかわった)
 
また、国見地区の若者たちの集まり「国見楽Café&Bar会議」による、手づくりの祭り「Tanochiku(楽竹)Night」への参加も印象深い。
 
「メンバーから地域おこし協力隊に声をかけてもらって、途中からでしたが、竹灯籠をつくるところから参加しました。地元のコミュニティ活動を学ぶよい機会となりました」
 
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(竹灯篭祭り「Tanochiku Night」では準備から当日までお手伝い)
 
活動を通して、人口減少、高齢化が進んでいるものの「良くも悪くも危機感を持っていない」ように感じられた。
 
「地元好きな方が多いからなのかなとも思います。地域づくりに活躍している内之浦創星会や国見楽Café&Bar会議のメンバーは『地域のみんなが喜んでくれれば』と、ボランティアで活動しています。遊興施設などハード面が充実していない分、地域の行事など自分たちでつくったもので楽しく過ごそうとしているようで、とてもすばらしいことだと感じます」
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(裏方としてイベントの手伝いに入ることも。写真は辺塚だいだいを使ったお菓子づくりの講座。
肝付町に来て、柑橘類の種類の多さに驚いたそう)
 
もう一年活動できたなら、という思いも強い。
 
「国としてもインバウンドに力を入れていますから、海外の人が町を訪れる仕組みづくりの提案などもしたかったですね。また、マナー講座も中学校だけでなく、もっと小さな子どもたち向けのものもしてみたかったです」
 
2019年3月で任期を終えた後は復帰訓練などを受けてから、国内線の客室乗務員として再び空を飛ぶようになる。飛行機に搭乗する際に出迎えてもらえるかもしれない。
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