肝付町波見にある高山漁業協同組合では、原則として第三土曜日(夏期や悪天候時のぞく)に「朝どれ市」を開催しています。新鮮な魚を手に入れる絶好の機会ですが、この朝どれ市に出かけるついでに、周辺をドライブ&散策してみてはいかがでしょうか。
【コース:東風泊漁港~戸柱神社~轟の滝~塚崎の大楠(塚崎古墳群)】
※塚崎の大楠~轟の滝~東風泊~内之浦へ向かうのもおすすめ。カーブはやや多いものの、通行量は少ないので、のんびりと。時間がかかるのと、猿の横断にはご注意ください!
※古墳好きなら、お隣の東串良町の唐仁古墳群へ足を伸ばすのもおすすめ。大塚神社は古墳(前方後円墳)の上にあります!
【東風泊(こちどまり)漁港】
肝付町・有明地区の細い道路を下った先にある小さな漁港。その名の通り、東風の強いときに船を泊まらせる港だったそう。地元では「こっどまい」と呼ばれ、音だけ聞くとまるで外国の地名のようです。
ここから眺める山と海と港の景色はおすすめです。ちなみに、この近くで「辺塚だいだいカンパチ」が育てられていますよ。
(よく晴れた日の東風泊港)
港から海に向かって右側では、特に引き潮のときに、ちょっと面白い光景が見られます。
杭が何本も海の中に立っているのです。この杭は昔の網干場の土台で、奥の石垣のようなものは波よけ。15年ほど前まで使われていたそうです。
左側のほうは小さな岩がごろごろある岩場になっていて、潮が引いているときには貝採りもできるそうです。ここでアサリが見つかったという情報もありますが、昔、砂浜があった頃の生き残りなのか、たまたま流れついたのかは不明です。
(満潮時には杭部分しかほぼ見えません)
【戸柱神社】
いったんもめんが出るという権現山のふもとにある神社。海辺の神社らしく、猿田毘古神(サルタビコノカミ)や大海津見神(オオワタツミノカミ)、市杵島姫神(イチキシマヒメノカミ)などの神様を祀っています。
この神社の鳥居は石でできていて、天保5年(1834年)に建立されたもの。裏側に刻まれているので、チェックしてみてください。
道路側から見て左側にある、三角の形をした石は「鯛石」といい、漁師さんたちが豊漁を願って祀っていたそうです。
(なぜ鯛石と思って見ていると、尾びれに見えるような…?)
※戸柱神社では、この地域に伝わる「波見浦町の八月踊り」も行われています。
【轟の滝】
権現山の麓、いったんもめんもやって来る(!?)、轟(とどろ)の滝。肝付町内で一番知名度の高い滝ではないでしょうか。
夏場になると、周辺地域から涼を求めてたくさんの人が訪れます。滝の下流には安全に遊べるようにプールのように囲った場所がありますので、小さな子どもでも水遊びを楽しめます。
(水遊びを楽しむ人々でにぎわう轟の滝)
【塚崎の大楠】
塚崎の大楠は、古墳の上に立っています。力強い姿に「パワーがもらえる」と人気です。
(大きな洞はハート型!)
最大の特徴は、大きな洞(ほら)でしょうか。木々に囲まれていて森の中にいる気分も味わえるからか、「トトロ」や「もののけ姫」を連想する方が多いようです。洞には大蛇が住んでいるという伝説もありますが、確かめようと中に入るのはご遠慮くださいね!
この大楠のある塚崎地区には、たくさんの古墳があり、大楠の立つ古墳を含めて「塚崎古墳群」と呼ばれています。日本最南端の前方後円墳(51号墳※)も含まれているので、歴史好きな方は立ち寄ってみてください。形はわかりづらいのですが、記念にどうぞ!
※かつては39号墳とされていましたが、新たに古墳が発見されるなどして、番号がつけなおされました。
【地域のイベント】
◯高山漁協 朝どれ市
開催日:原則第3土曜日(夏季や荒天時のぞく・鮮魚販売:午前10時~)
場所:高山漁協(波見港[硯石港])
※過去の朝どれ市の様子はこちら。
◯棒・鎌踊り
毎年3月・日曜日(日取りは年によって変更)
場所:住吉神社(波見)、伊勢神社(野崎)ほか
※過去の棒踊りの様子はこちら。
【おまけ・権現山】
すっとした山のかたちが目を引く権現山。実は頂上近くまで、車で行くことができます。
駐車場から徒歩10分足らずで頂上に到着可能です。残念ながら見晴らしはあまりよくないですが、気軽に森林浴が楽しめます。また、権現山では、道路傍でコシジロヤマドリ(宮崎県の県鳥)が目撃されています。
(頂上からドローンを飛ばして撮影した動画です)
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